池袋のガールズバーで誇りをもってバイトする

池袋のガールズバーで誇りをもってバイトする

彼女は水商売は絶対にやらないと心に決めていた。
子供ながら、母親が夜遅く酔っ払って帰って来るのが嫌だった。
父親は、いつも「お母さんは偉いんだ。
こんな遅くまで働いているんだ。
」と言ってたのを覚えている。
池袋の2DKのアパートだった。
そう言う自分がまさかガールズバーでアルバイトを始めるとは思ってなかった。
しかし落ちぶれて仕方なくそうしているというのとは違った。
むしろ、仕事を水商売とか堅実な仕事とか区別していた自分を恥じていた。
ガールズバーだって立派な仕事だと慰めるのではなく、この仕事には、本質的には男に媚びない女というか人間の魅力をそのままぶつけてやっていける仕事、いやもっと言えば人間そのものが見られている仕事だと感じ始めていた。
少なくとも毎晩酔って帰ってきた母親のイメージには近づく可能性を感じなかった。
昼間はぼーっとしていても、夜の時間になり池袋のカールズバーでバイトする自分を誇りに感じていた。

ガールズバーのバイトのきっかけとなった夜の池袋の市場調査

ガールズバーでは、バイトでも厳しい礼儀が求められる。
媚びるのと、礼儀を尽くすのは違うのだ、といつもチーフに言われた。
人間を磨けともいわれた。
だから、学生なら学校の勉強をきちんとせよとも言われ、昼間ぼーっとしてさぼりがちの大学だったが、足を運ぶようになった。
池袋のガールズバーでバイトするようになったきっかけは意外なものだった。
大学で何となく取ったゼミが、市場調査だった。
その中で夜の商売についてレポートの提出を求められた。
ゼミ生たちは、24時間スーパーや、代行運転とかの仕事調査をするとかしたのだが、彼女は何故か自分が一番嫌っていた水商売を覗いてみたかった。
といってもまさかソープランドとかに行くわけにはいかず、一番、魅力的に感じたガールズバーに取材を申し入れたところ、池袋のここが受け入れてくれたのだ。
むしろ、この仕事を学術的に見てくれるものが現れたことを喜んでいる様子さえあった。
このゼミは単位が取り易いという理由だけで取ったので、申し訳ない気持ちもあったが、ここのチーフがそういう自分でも真摯に取材を受け入れてくれたことにきちんと報いなければならないと感じた。
池袋のガールズバーってバイト募集してるの?
これが彼女の池袋のガールズバーとの出会いだが、この時点ではまさかここでバイトまでするとは思っていなかった。